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ひじきが我が家にやって来た その2
 ゴールデンウィーク前だったと思う。
 山梨は白根にあるペットショップで真っ黒なトイプードルの子犬をみつけた。しかも女のコ。でも、これがまったく愛想が無い。世話をしてくれるお姉さんやトリマーさんの姿を探すのにやっきで、ケージをのぞき込む私など無視。いかにも風景の一部といった顔つきだ。
 その隣接するスーパーには週一くらいで買い物に行っていた。だから時間が許せばペットショップをのぞいた。特に黒いトイプードルが気になったのではなく、「他に新しいコ来たかな」的に。
 6月が過ぎ、7月が過ぎても黒いプードルは居座っている。一緒にいたアプリコットやシルバーの子犬たちはそのスペースを空けているのに。
 9月のとある日、いつものようにスーパーでの買い物を終え、ペットショップをのぞこうとする私は目を疑った。「プードルキャンペーン」と銘打ち、少し広めのケージに弱々しいベージュの男のコとそのコを踏みつけ脅しまくっている例の黒いコ。「この際だから売れ残りを処分しちゃえキャンペーン」としか読めない。
 何だか急に愛しく、切ない気持ちになった。ダンナも同様だった。買うならブリーダーさんからと決めていたから、その場はまさに後ろ髪を引かれる思いだったが選択をしなかった。そりゃそうだ。その一週間ほど前にフラットコーテッドの予約をしていたのだ。
 帰宅し、ダンナがフラットコーテッド「ひじき」のお父さんになる予定のコの飼い主さんに電話。「縁あってトイプードルを家族に迎えることになっちゃって。」(おいおい・・本当かい)「また随分と小さいコになったじゃないの。」と言いつつも快諾してくれた。(T)
(つづく)

クルマでひとりぼっちのお留守番はさみしいよ〜。

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